食について理解を深めるいくつかのトピックス

食といえば農学とディープな関係です。農学部出身のちんりゅうの食について考える深夜3時、これだけは知っておきたい!。

先進国の食事事情について押さえとくべき3作品

映画「スーパーサイズミー

この作品でジャンクフードによる食生活の汚染が指摘されたのは記憶に新しい。ファーストフード漬けあの企画に体を張って挑戦した監督モーガン•スパーロックはこの映画の他にも色々な「30days」を製作しているから興味の有る人が動画サイトを探してみて欲しい。監督が疑似科学に肯定的なのは注意。

映画「ファーストフードネイション

食品会社の幹部の視点から業界の裏側を除く事が出来る。興業的には失敗だったみたいだけどさりげなく有名人が出ているのが面白い。企業のねじ曲がった倫理観や現代人の食事がいかに不自然なものであるか分かると思う。ラスト10分でベジタリアンになれるかもしれません。

映画「いのちの食べかた(Our Daily Bread)

ひたすら食材(野菜・肉•魚)の生産現場に焦点を当てたドキュメンタリー。現代農業において、スーパーで販売されている食材がいかに効率よくかつ均一に生産されて、どのように生物が食材へと加工されているかシステムを知る事ができる。グロ注意。ベジタリアンになりたい人はどうぞ。

僕の周りの実験動物扱ってる人はグロ耐性ついてるからそんなにショック受けないと思うけど、世間のスイーツ(笑)はどうでしょうね。
でも、やっぱり肉は美味しいから食べちゃうよね。
現実にショックを受けて肉を断つ安易な菜食主義に走らずに、飽食の時代に自然への感謝の気持ちを思い出すよい機会にしてほしい。肉食を減らすだけでCO2排出削減に貢献できるらしいですよ。
たべものができるまで、つまり「生き物(植物含む)」→食材→加工品のステップに焦点を当てているこの3作品は食品の意識が高まる昨今にぴったりの作品だと思うんです。

給食が全部ジャンクフード!?

イギリスでは公立の学校給食にまでジャンクフードが浸食し(予算不足や業者と学校の癒着が指摘されている)バイキング形式の学校では質の悪い加工食品が並ぶ。日本で盛んに叫ばれるようになった「食育」という概念は無いに等しく、少ない予算に縛られた食事はジャンクの無法地帯。自己選択による学習を唱う学校は実質的に匙をなげている。

イギリスのタレントシェフによる給食革命が今起きている。

photograghed by ~Prescott
こうした現状を本気で嘆いたのか、単に新たなチャレンジをしたかったのか分からないんだけど、イギリスの有名なタレントシェフ、ジェイミーオリバー(Jamie Oliver)が立ち上がる。彼は料理番組やイギリス版ガチンコ料理道みたいな番組に出演したりしてかなり人気があるらしい。(ソースはジェームズ from UK)
数年前に放映された「ジェイミーズスクールディナー」(ニコニコ動画にあったかも。)という一連のシリーズで学校給食の実態や、子供とその親の食育の不十分さが浮き彫りになる。ジェイミーは学校へ乗り込み、給食からジャンクフードを無くそうというキャンペーンを始める。多くの市民活動化が達成できなかった彼の取り組みが大きな社会運動となり、2008年9月ついにイギリス当局は、実験的試みとして2つの地方自治体での健康的な給食のために200万ポンド支出することを表明した。また、2年間継続し、給食の改善によって生徒の健康と集中力、給食の品質、給食の利用率に改善が証明されれば、全国的に学校給食の改革を行うと付け加えている。

ファッキンを多用する30代前半の気さくな兄ちゃんが自信の知名度を活かして禁断の領域(学校のキッチン)にテレビカメラを連れ込むことから端を発して、ひとつの国の給食システムを変えようとしている。彼が牽引したこの改革についてはいろいろ指摘があるのだけどGuardian紙のオンライン版でかなりの記事があるの気になる人はどうぞ。

ちなみに彼はイギリスのニートを特訓して一流のシェフとして育てるプロジェクトに取り組んでいた。これがイギリス版のガチンコみたいでかなり面白かった。
あっちのニートは自己主張と言い訳に特化してる分たちが悪いwww
そんな彼らを見捨てずチャンスを逃すなと何度も説得するジェイミーは本当に親切な男です。

日本に生まれてよかった!?

一連の作品を見て思うのは、ジャンクフードに関しては思ったより日本は健全なんだなあ、と思わず楽観してしまう。